商いは飽きずに懲りずに。
僕は小売の本部スタッフとして働いています。
いわゆる食品スーパーですが、比較的グレードの高い商品を取り揃えています。
商品が高品質だからと言って、経営者や社員も高レベルとは限りません。
メディアで取り沙汰される長労働時間やセ-パ両ハラスメントといった諸問題は我が社も同じです。
そこにはさまざまな人間模様もあり、笑ったり泣いたりの毎日があります。
会社の突っ込んだ話は生々しくなりますので、今日は小売業の商売について少し触れたいと思います。
①売上はニコニコ現金払い。
お客様が商品をお買い上げになると、現金やクレジットカードでお支払いをされます。
日銭商売の良いところは、すぐにこの現金が手に入ることです。
手形や小切手で回収を待つことがありませんし、取りっぱぐれもありません。
回収を待たなくて良い期間の金利効果は絶大です。
一方、クレジットカードはカード会社にお客様の現金回収を委託する取引ですが、手数料も抜かれますので、店側にとってはサービスのいっかん、致し方ないといったところです。
②仕入れた商品の支払いはなるべく遅く。
逆にメーカーや問屋への支払いを1ヶ月後、さらに2ヶ月後のサイトにすれば資金繰りが良くなります。
現金化は早く、支払いを遅く、ファイナンス(資金調達)の鉄則ですね。
③売上ー仕入原価=粗利。
売上金額から仕入金額を引いたものが粗利ですが、小売のビジネスはこれがすべてです。
安く仕入れて高く売る。これが富の源泉です。
それとできるだけ商品の回転率をあげ、在庫を残さず早く売り抜く、そして現金化を急ぐです。
商品の値引きや廃棄が増えるならば、当然手取りは減っていきます。
①〜③を合理的に行えば、利益を最大化できます。
その利益の中からわれわれの給料や水道光熱費、広告宣伝費などが支払われていくわけです。
小売は仕入れたものを売るだけという極めて単純なものであり、ひとつひとつ粗利を積み上げていくしかありません。
逆に手順を間違えると簡単に利益が吹っ飛んでしまうビジネスです。
単純だからこそ毎日丁寧にこれを繰り返していくしかありません。
コツコツと「商いは飽きずに懲りずに」です。
好きでないとやってられない仕事ですね。