昔の思い出が止まらない
緊急事態宣言が出され1ヶ月が過ぎた頃でしょうか。ある晩夕飯を食べていたら、急に昔のことを思い出してしまいました。
時間と精神的に余裕ができたためか、急に生活が一変したのが原因かわかりませんが、気持ちが過去へ過去へと向かいはじめてしまいました。
いろんなことを思い返しては、眠れない日々が続きました。
毎日10時過ぎにすぐ寝落ちしてたのに、こんなことははじめてです。
もちろん50数年生きてきたので、たまに昔を振り返ってはあの頃は馬鹿なことやってたなとか、ズレたことやってたなとか、みんなどうしてんのかなとかふと思い出すことはありました。
しかし、今回はその時々の風景や交わした言葉のひとつひとつが鮮明に、嫌なことや辛かったこと、恥ずかしかったこと、良いことやうれしかったこと、夢中になったこと、たくさんの出来事が止めどなく蘇ってきました。懐かしさで押しつぶされそうになりました。
昔聴いていた歌なども聴くと切ないのに、次々に聴いてみたりしました。
あの頃にはもう絶対にもどれない、こんな気持ちははじめてです。
誰にでもこんな時期があるのでしょうか。
50歳過ぎのおじさんが空を眺めながらもの思いにふけちゃって気持ち悪いだけです。自己陶酔ですよね。
多くのことは忘れてしまってることばかりです。今後さらに記憶は薄れ、何も思い出せなくなっていってしまうときがきっとくるのだと思います。
ひとつひとつの小さな歴史があったことも忘れちゃうんだなと。
過去は美化されるとよく言われますが、まさにその通りです。
センチメンタルなんだかノスタルジーなんだか違いもよくわかりませんが、きっと元気のない証拠です。要は暇なんですね(笑)。
時間をはじめ失ったものはたくさんあります。逆に歳とともに今まで手に入らなかったものをたくさん手にしてきました。むしろ、手にしたものの方が多いくらいです。
ひとは欲張りですから失ったキラキラしたものを欲しがるものなんでしょうか。
少しだけ時計を戻してみたいと思い、やりはじめたのが、学生時代に趣味にしていたフォークギターです。
先日楽器屋に行って、小さめで安いやつを買っちゃいました。店のひとに「ほぼ30年ぶりなんです。なんだか昔のことばかり思い出しちゃって」と伝えたら、「素敵じゃないですか」と言われ迷わず購入、単純なもんです。
別に誰に披露したいわけでもなく、弦を押さえる指先の痛みを感じながら楽しんでいます。
それがこの緊急事態宣言明けにはじめたことです。
子どもはそんな父親の姿に少し戸惑ってますが、そんな父親の一面もあったということを知るのもまあいいのかなと。
一ヶ月近く、気持ちが過去と現在を行ったり来たりしましたが、また前へ前へ向きを変えて行こうと思います。
最近気に入った歌の中にこんなのがありました。ちょっと古いんですが素敵な詞です。流石ですね。
♪在りし日の己を愛するために 想い出は美しくあるのさ 遠い過去よりまだ見ぬ人生は 夢ひとつ叶えるためにある♪