歌の力について
人生は選択の連続です。
特に新しい環境に飛び込むときには勇気がいります。
どんなに経験を積んでも怖いものは怖いですし、逃げ出したいときは逃げ出したいものです。
はじめての就職、希望と違う配属先、太刀打ちできそうもないプロジェクト、予期せぬ昇格、30代半ばでの異業種異職種への転職、などなど思い起こすとターニングポイントがそこかしこにありました。
「大丈夫、やればできる」「仕事なんてできないことない、なんでもできるよ」「イージーイージー」、そんなふうに言い聞かせながら、そんなことの連続でどうにかここにたどり着いた感じです。
そしてそんなときにはいつも好きなアーティストの曲を何度も聴いて自分を奮い起こしていたような気がします。
いつも音楽がそばにありました。
背中を押してくれたり、気持ちが楽になったり、メロディに歌詞を乗せただけなのに音楽には不思議な力があります。
遠い記憶の断片にその時流れていた音楽がぴったりと貼り付いていたりもします。
今日は誠にお恥ずかしいのですが、僕があの頃どんなアルバムを聴いて過ごしたのか、強く印象に残るアルバムを少しだけご紹介します。
①10代 →STAY DREAM 長渕剛 〜アコースティックギター一本で作られた名盤です。学生時代に夢中になれるものを必死に探していた頃よく聴いたアルバムです。この後に発売された"LISENCE"も思い出深いです。
②20代 →ナポレオンフィッシュと泳ぐ日 佐野元春 〜会社に入り何もわからずオタオタしていた頃と重なります。
③30代 →IT’S A Wonderful World Mr.Children 〜10数年勤めた会社を辞め、新しい会社に飛び込んだ頃です。"何度でも何度でも僕は生まれ変わっていく♪"というフレーズに痺れてました。
④40代→BLOOD MOON 佐野元春 〜会社生活にピリオドを打ち新しいステージに行きたいと考えていた頃、よく聴いたアルバムです。自分の"境界線"を越えたい時、フワッと勇気をもらえます。
極めて個人的なラインナップであります。
特に50歳を超えた今もBLOOD MOONというアルバムはお気に入りで、その中の「境界線」という曲は抜群です。
詩も抽象的で聴くひとによって捉え方もかわる、万人受けするとは言い難いアルバムですが、今の僕には染み渡る楽曲ばかりです。
僕が解説しても良さがまったく伝わりませんが、最後に「境界線」前半部の歌詞を。
この決意は何処へと
向かっているのだろう
自分でも判らないくらいだ
どんなオチがついても
選んだ道に花を飾って
明日、境界線を越えていこう
君がそこに待っている
君がそこで微笑んでいる
いつかたどり着けるまで
いつもここで夢見ている
感じたままのど真ん中を
くぐり抜けてゆく
これ以上、待っていても無駄だろう
風に導かれるまま
どこまでも自由に
明日、境界線を越えていこう
君がそこに待っている