負債がないことがなにより
持ち家派か賃貸派かという議論がずいぶん昔から繰り広げられてきました。
自分の住処はどういった仕事をしてどこで生きていくのかで大きく別れますし、どちらが良いかはひとの生き方の数だけ違ってくるのではないでしょうか。
ただひとつ家は大きな買い物です。
負債(借入)を抱えるときは十分注意が必要です。
僕の場合は幸運なことに父母と同居し、妻子も同じ屋根の下に住んできました。
ちなみに築40年になる父親の持ち家です。
かなり老朽化しており、サッシは隙間から風の音が聞こえますし、天井を叩く雨漏りは遠い太鼓のような懐かしい音がします。
昭和の大家族の風景がそこにはあります。
我が家のような生活スタイルは、妻子だけでの自由な生活がないというデメリットもありますが、経済的な側面から見ればメリットは絶大です。
何かを得るには何かを諦めなくてはなりません。
同居のメリットとしては(僕自身の場合ですが)、
①住宅ローンや自動車購入といった借金がない。
②衣食住、水道光熱といった生活コストが少なくて済む。
③子どもたちを祖父母も一緒になって育てていける。
④僕が不在のときでも親が頼りになる。
⑤将来的に親の介護がしやすい(もちろん覚悟は必要)。
といったところです。
このうち①の借入がないということは最大のメリットです。
仮に家を買った場合、収入の何倍にもなる借入をするわけですから、その後の人生は返済を中心に設計しなければなりません。
人的資本もしっかりしていて(労働市場で安定して稼げる)、財政面の管理もできるひとでないと生活は不安定にならざるを得ません。
汲々と返済に追われることになれば、それは恐怖です。
もちろん借入が必要になるときはあります(貸してくれない場合もあります)。
仮に融資を受ける場合には「絶対にお金の貸し借りはするな」という言葉を忘れずに、借入額は最小限に抑えたいものです。
ひとの生まれや育ち、運も才能のひとつという言葉があります。
そして、ひとの運の総量も等しいという言葉もあります。
僕はひとを使うのも使われるのも嫌いな社会的にはとうていなれないような人間です。
なんとかやっていますが、会社員としては才能に恵まれたとは言い難いレベルです。
しかし、この家に産まれた幸運を最大限に活かして生き延びていこうと思っています。
古びたこの家が家族みんなの資産です。