保険はほどほどに。
社会人になりそれなりに稼ぐことを覚えた頃、学生時代の先輩方から次々に電話がありました。
生保に就職していた方々からの加入のお誘いです。
食事に誘われ、今のうちに保険に入っておいた方が得だから頼むよ、とすっかりご馳走になった上で署名捺印です。
僕の印鑑までご用意してくれてました。
ネギしょったカモですね。
本来であれば、国に運営を任せている健康保険と公的年金があればある程度のリスクはカバーできるはずです。
しかし、民間の生保会社は保障の手薄さばかりを強調します。それでは足りないと煽ります。
いざという時のご家族への愛情のしるしとして、病気や怪我のときの入院費や手術代として、将来不足する年金の備えとして、働けなくなったときの休業給付として、などなどリスクをあげればキリがありません。
僕もこれまでずいぶんと保険に加入してきました。
国内生保の死亡定期に終身保険。
年末調整の保険料控除をはるかに超える額です。
これを保険貧乏と呼びます。
こんなに入っておいて偉そうに言えませんが、保険加入する場合には次の点を参考にしてみてください。
①よくわからない商品には絶対に近づかない。
保険商品は複雑です。なんとなく良いからはやめておきましょう。
②保険会社や銀行のひとに相談しない。まずは本などでリテラシーを高めましょう。
③ほんとうに必要な保障金額をカバーできる定期保険を選ぶ。
年齢や、独り身あるいは家族構成で大きく違ってくるはずです。
そして、低コストな定期保険が本来の保険の役割です。
④終身保険は資産運用ではなく、あくまで保険だと捉える。
見るべきところは保障内容だけです。
保険会社はあなたの資産形成など興味ないはずです。
⑤保険会社が破綻する場合もあることを理解しておく。
預けておけばOKではありません。保険会社によっては預けたお金を削られる場合だってあります。
保険を検討する場合、あるいは勧誘された場合、そもそも保険に入る必要があるのかないのかをよく吟味すべきです。
必要がなければ明確に断りましょう。営業マンにあのときこう言ってたじゃないですか、と言質を取られても、ひるまずです。
それと、人生のリスクばかりを強調し、気にしすぎるとなんだか面白みのないものになってしまいます。
保険はほどほどに、まずは人生を豊かにすることへお金を振り向けたいですね。
最後に、生命保険や医療保険は車の損害保険同様いざということが無いのが一番です。
無事故で過ごせて良かった、病気や入院もせず保険を使わなかったとしても、損したわけではなく自分が元気な証拠と喜ぶべき金融商品です。
保障を手にすることを期待しすぎてはいけない性格の商品です。